Nazca Novels 冬花の夏〜小5の夏の恋心〜

第1話 好きな人?

「今どさくさに紛れてスカートめくったでしょ」
「違うって沢田のおばさん!それにどうせ下短パンだろ」
「あー開き直ってるサイテー」
「お前少し太ってきたから確かめたんだよ」
「そんなのあんたに関係ないでしょ宮川のバカ!」

宮川君ってどうして意地悪なのかな〜
私を目の敵にしているって感じ。
レベルが3年生くらいだよ。
それより太ったって言ったよね。
確かに最近太ってきたかも……
気にしていること平気で言っちゃって腹立つ〜
しかも、そのあだ名やめてよね!小学生におばさんはないでしょうよ。
……私ってそんなにおばさん臭いかな〜

「あのさ、そこオレの席」

織川志典君…クラスで一番頭が良くてスポーツも得意な男の子。
3年生の時から同じクラスです。
物静かで大人っぽいし、ルックスもいいのです。
でも、どこか怖い感じがして話しかけられません。(>_<)
あまり輪の中に入らず、いつも教室で寝ているか図書室に行ったりしています。
自分でもよく分からないけど、どうも最近織川君が気になっちゃっています。
ふと気が付けば目で追っちゃってしています。
冬花的には一番気になる男の子なのです。

「ごっ、ごめん」
「お前……大丈夫だ」
「えっ?」
「そんなに太ってない普通だ」
「あ…ありがと」

織川君と久しぶりに会話したかも。
そんでもって、ちょっと嬉しいかも。

「ねぇねぇ冬花」
「なに? 由美」
「さっきさ、織川君と話ししてなかった?」
「うん、ちょっとだけ」
「いいなーいいなー由美も織川君とお話ししたいよ〜」

由美は織川君のこと好きなのかな?

5年生になってから女の子達は、好きな男の子の話をするようになってきました。
なんとなくだけど、どの子が誰を好きなんだってことも見えてきたのです。
でも由美のことは分からなかったよ〜てっきり室山君だと思っていたよ。

「由美は室山君が好きなんじゃないの?」
「室山君は1番で織川君は2番目」
「ほ〜」
「最近かっこいいなって思ってきたの…頭もいいし」
「そうなんだ」
「将来のこと考えるとさぁ学力がないとダメだよ」
「そこまで考えてるんだ」
「だけど怖そうで話しかけられないよ〜」

やっぱ由美も私と同じに思っていたんだ。
ホントに話しかけづらいよね。


◇◇


「冬花って織川君と仲良しなんだって」
「咲希…どうしてそうなっているの?」
「違うの由美?」
「そんなこと言ってないよ〜」

由美が慌てて言いました。

「由美、織川って性格いいのかなぁ〜だって友達いないじゃん」

織川君って仲の良い友達っているのかな〜

「隣のクラスの稲橋君とは仲がいいよ」
「由美、よく知っているね」
「へへへっ」

赤い顔をして由美が笑ったよ。

「咲希は好きな子いるの?」
「えっ、えーとね……いるよ」
「誰なの?」
「冬花も教えてくれたら教えるよ」

えっ?
そんなこと急に言われても…
好きな男の子……う〜ん、う〜ん……
まだいないのかな〜
今まであまり考えもしなかったもん。

「まだ好きな子いないなぁ」
「あらら、冬花はお子ちゃまだね〜」
「なにそれ咲希、うわーなんか悔しいかも」
「焦らなくたってそのうち好きな子できるよ〜」

由美が笑いながら言ってくれた。

「そうだね」

私だって、そのうち好きな男の子できるよ。

「それより来週の宿泊研修楽しみだね〜」
「私、新しい服を買ってもらうんだ」
「いいな〜咲希、由美もお母さんに言って買ってもらおうっと」

私も楽しみだけど、カレーライス作るんだよ…

「カレー作るんだよね」
「そうだよ、冬花」
「私…料理とか全然ダメだよ〜包丁怖くて……」
「由美も苦手だけど、何とかなるよ〜ねっ咲希」
「私も全然ダメだけど、冬花大丈夫だよ」

そうだよ、何とかなるさ。
私も新しい服を買ってもらおうかな〜♪

 Index Next →

ランキングに参加中です。一押し応援して頂けたら嬉しいです。
NEWVEL 乙女の裏路地 Wandering
Network
恋愛ファンタジー
小説サーチ
HONなび
copyright (C) 2009 Nazca Novels All Rights Reserved.