Nazca Novels 吹雪の中で

第3話

このままでは待ち合わせの時間に間に合わない。
周りは吹雪で見えない状況だ。
車は全然進んでいかない。
僕はタイミングの悪い男なのか?

思えば高校のとき、好きな子に告白した。
精一杯の勇気を出して告白した。
しかし、彼女はちょうど好きな人に告白して振られたばっかりだった。
僕は彼女にビンタを食らった。
両方の鼻から血が出てきた。

そういえば、千香と付き合う前の彼女とはこんな形で別れた。
僕はお腹を壊していた。
何度も何度もトイレに行った。
泣きながらトイレに座っていると、トイレットペーパーが無くなっていた。
僕は仕方なく部屋の隅に買い置きしていたトイレットペーパーを取りに行った。
いまいち自信がなかったので、パンツを下ろした状態ですり足気味に目的地に進んだ。
第三者が見たら、確実にうんこを漏らしているように見える。
間違いなくそう見えるはずだ。
僕は無事目的を達成して同じようにすり足気味にトイレに戻った。
僕は達成感を抱きながらトイレのドアを開けようとした。
人の気配がした。
恐る恐る玄関を見ると、呆然と立ちつくす彼女がいた。
彼女は二度と戻ってこなかった。
僕は自分の腸の弱さに涙した。

このままではいけない。
なんとかこの渋滞を脱出しないと……

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