Nazca Novels 冬花の夏〜小5の夏の恋心〜

第17話 違う学校?

今日は朝から暑いよ〜
でも冬花はそんなこと気にしません!
だって今日は織川君に学校で会えるもん。
今日は学校に来るんだよね?
だって先生が一昨日と昨日って言っていたも。
だから学校で会えるよね。

「冬花」

その声は織川君だ♪

「久しぶり〜」
「もう大丈夫か?」
「うん、元気だよ」

織川君の顔を見た瞬間に全開バリバリになったよ。
うれし〜うれしいよ〜

「明日ね、町内会のお祭りがあるんだよ」
「そうなんだ」
「日曜日は町内の運動会だよ」
「この時期によくやるよな」
「織川君は行くの?」
「今バタバタしているからな〜どっちも行けたら行くよ」
「そっか、赤ちゃんどう?」
「女の子なんだ、かわいいよ」
「うわー私も見てみたいな」

やっぱ冬花も赤ちゃん欲しいかも。
織川君と私の赤ちゃん……
きゃー沢田冬花は再び妄想ワールドに入国しちゃいそうです。
冬花はそんなエッチな子じゃないですぅ〜

・・・・・⇒


「由美は浴衣着ていくけど冬花は?」
「私も着ていくよ」
「冬花、織川君を誘った?」
「微妙みたい」
「福永君と室山君誘ってあるんだよ」
「それって私が微妙な人物になっちゃうよ」

無理矢理でも誘っておけばよかったかも。
もう、咲希も由美もちゃっかりしているよな〜
私なんて誘うだけでも一大決心なのに。

あ…織川君だ。
あの子は隣のクラスの三高さん。

「佐織が織川君のこと好きなんだ」

えっ、三高さん今何って言ったの?

「急に言われても困るって」
「佐織かわいいよ」
「小学生だぞオレら」
「そんなの関係ないでしょ」
「やっぱり沢田さんと付き合ってるの?」
「はぁ? 付き合ってないって!」
「じゃあ織川君は沢田さんのこと好きなの?」

織川君、どう答えるの?

「悪い、オレ違う学校に好きな人いるんだ」

答えは呆気なく出されちゃった。
ホント呆気ないや。
私、家に帰らなきゃ。
今日は終わったら早く帰ろうっと。


◇◇


『キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン』

『ガタッ』

「冬花、あれ? 帰っちゃった?」
「由美、冬花急いで帰っちゃったよ」
「なんか言ってた?」
「言ってないよ」

・・・・・⇒

「悪い織川、オレ聞いちまった」
「何をだよ、宮川」
「さっきのこと本当か?」
「さっきのこと?」
「お前他の学校に好きなヤツいるのか?」
「お前に関係あるのか? まさかオレのことが好きなのか宮川」
「ふざけんなって! 沢田がその話を聞いていたんだぞ」
「……」
「それでいいのか? 織川」
「……それでいいんだって」


◇◇


迷惑ならはっきり言ってくれればよかったのに。
好きな子いるなら、そんなに優しくしないでよ。
バカみたい私って、バカだからはっきり言ってくれないと分かんないよ。
織川君なんて大嫌い。

「沢田」

誰? なんだ宮川君か。

「なに宮川君」
「泣いてるのか」
「あんたに関係ないでしょ」

こんな時に来ないでよ。
また嫌なことわざわざ言いに来たの?
一人にさせてよ。

「オレは違うと思うぞ」
「なにが違うの?」
「織川の言ったことは違うと思うぞ」

バカじゃないの宮川。
そんなこと言いに来たの?

「だって織川君が自分の口で言ったじゃない!」

「オレはアイツと1年の時からずっと同じクラスだ」
「だから」
「アイツはいいヤツだ」
「知らないよ、そんなこと」
「そっか、悪いな呼び止めて」

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